ぎこちなく、下手くそになる。


暖かい風が吹く午後。
不協和音に浸る渋谷を、目的もなく歩く。

たった10秒立ち止まっただけで、
たくさんの人が視界に映り込み、
数える間もなく消えていった。
一期一会なんてあったもんじゃない。

「だれかが、なん百万もの星のどれかに咲いている、
たった一輪の花がすきだったら、
その人は、そのたくさんの星をながめるだけで、
しあわせになれるんだ。」

ふと『星の王子さま』の一節を思い出す。
空っぽの頭の中に、
会いたい人達の顔が浮かんだ。


私の人生は私のもんだ。
嵐だって「僕が僕のすべて」って歌ってるし、
ゲスの極み乙女。だって「私以外私じゃないの」って歌ってる。

答えがあるのは、いつだって自分の中。
知らないどこかに隠されているわけじゃない。
自分の外にあるのは、あくまでヒントだ。

人生に溢れる難題がそれぞれ多数の答えを持っているなら
私はシンプルな解法で綺麗な答えにたどり着くより、
少しぐらい展開が複雑になっても
唯一無二の美しい答えを導きたい。

遠くない未来で
自分の誇りに変わってくれるんじゃないかって
淡い期待を抱いてる。


ああ、それにしても。
先週末は飲み込んだことばが喉のあたりにひっかかって、
ひどく息がしにくかった。

吸って。吐く。
たった2パターンの単純な作業なのに、
どうして気をぬくと忘れそうになるんだろう。
当たり前なこと程、
意識すると途端に勝手が分からなくなる。

上手くできていた時を
真似しようとするからなのか。
ぎこちなく、下手くそになる。


元気な日も凹む日もあるけど、
いつまでも溺れてられないね。
海の中で踠いても叫んでも、
船の上にいる人は誰も気付けない。
助けが欲しいなら、
自力で海面まで顔を出さなきゃ。

話はそれからだ。
Mayday!!


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